二つの大阪万博 1970年から2025年へ

55年の時を超え、大阪で再び万博が開催されています。

諸先輩方の中には、1970年の万博を今でも鮮烈に覚えているという方もいらっしゃることでしょう。

二つの大阪万博を比較することで、この55年の時代の変化を考えてみました。

そもそも万博とは?

万国博覧会とは国際博覧会条約によって定められた国際的な催しで、

「公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すもの」

「二以上の国が参加するもの」

と定義されています。

現代の万博は、「登録博」と「認定博」に分類されます。

規模が大きいのは5の倍数の年に開催される「登録博」で、大阪万博もこの「登録博」です。

大阪での開催は55年ぶりですが、2005年の愛知万博(愛・地球博)も登録博でした。

高度成長期の1970年大阪万博

1970年に開催された大阪万博は、日本初の国際博覧会として世界の注目を集めました。

77カ国が参加し、来場者数は6400万人を超える大盛況でした。

ちなみに同年の日本の人口は約1億37万人でしたから、単純計算すると人口の6割が訪れたことになります。

当時大阪に住んでいた知人は「遠方の親戚が次々と泊まりにきて大変だった」と言っていましたが、地元ではそんなご家庭も多かったかもしれません。

1970年といえば、日本は高度経済成長のまっただ中。

テーマは「人類の進歩と調和」でした。

万博のシンボルは岡本太郎の「太陽の塔」で、顔を持つ巨大な塔がお祭り広場の大屋根を貫いてそびえる姿は人々の度肝を抜きました。

最新技術として紹介されたのは「ワイヤレステレホン」「動く歩道」「電気自動車」などで、現代の私たちにとってはすでに身近なものとなっていますね。

また、宇宙への関心も高まっていた時代で、アポロ12号が持ち買った「月の石」が展示されたアメリカ館は大盛況だったということです。

「いのち輝く」2025年大阪・関西万博

日本中が盛り上がった1970年の大阪万博と比べると、2025年の大阪・関西万博は少々複雑です。

不透明に膨れ上がっていく予算、カジノ問題等、今後に影響しそうな問題も抱えたまま2025年4月13日に開幕しました。

それでも、人類の進歩を示す最新技術が紹介されるという万博の精神は生きています。

今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。

そして、「2025年大阪・関西万博がめざすもの」として、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献、日本の国家戦略Society5.0の実現の二つが掲げられています。

この先の日本にとって大切な課題ですので、興味のある方は公式サイトの解説をご覧になることをおすすめします。

AI、バイオテクノロジー、ロボティクス、デジタルツインなど最先端技術を活用した展示は万博ならではで、社会課題の解決に向けた革新的な技術が注目されています。

「iPS細胞から作った動くミニ心臓」「最新型アンドロイド」などは、いのちを感じる展示ですね。

国際性という面からは、前回の大阪万博の2倍以上となる158の国と地域、7つの国際機関が参加しています。

各国のユニークなパビリオンだけでなく、公式参加国や期間が1日ずつ開催する「ナショナルデー」「スペシャルデー」のイベントなど、それぞれの文化をより深く知る機会が設けられています。

2025年大阪・関西万博 公式サイト https://www.expo2025.or.jp/

時代の変化を映す万博

1970年の万博は未来を楽観的に信じる時代背景のもと、技術の進歩がすべてを可能にするという信念が強くありました。

一方で2025年の万博は、地球規模の課題に対処しながら、より共生型の未来を模索する時代に合わせています。

1970年万博が日本の経済発展と技術革新のシンボルだったのに対し、2025年万博は「人間中心の持続可能な未来」を実現する場としての役割を果たします。

2つの万博を比較することで、時代がどのように変化し、人類がどのような価値観のもと未来を設計しているのかを考える機会になります。

技術は発展し続けていますが、その使い方には変化が訪れています。

大阪万博は、その変化を捉えながら世界に新たな可能性を提示する場となるでしょう。

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