身近な水害対策
近年、日本各地で記録的な大雨や台風による水害が相次いでいます。
気候変動の影響もあり、ゲリラ豪雨や河川の氾濫といった災害のリスクは年々高まっています。
大雨による災害はほぼ6月から10月の間に発生しています。
特に集中しているのが7月から9月で、やはり梅雨や台風、秋雨前線の時期には水害が多くなる傾向にあります。
水害の傾向
河川の氾濫や道路の冠水、住宅の浸水などは、私たちの暮らしに直接影響を及ぼします。
通常、身近に川がない場所で水害を気にすることはほぼありません。
しかし、最近は都市部でも下水の処理能力を超えるようなゲリラ豪雨が発生するなど、思わぬところで水害に見舞われることもあります。
2024年の夏には、東京の都心部で局地的な大雨が降った後、マンホールから大量の下水が噴出するという事故が複数起きました。
新宿では、道路から巨大な水柱が噴き出して重さ100kg近いマンホールのフタが高く飛ばされました。
幸い、このときは人的被害はありませんでしたが、フタの落下地点によっては大事故になるところでした。
こうした噴出は「エアーハンマー現象」と呼ばれます。
下水に大量の雨水が流れ込んで急激に水位が上がり、管内で逃げ場を失った空気の圧力が高まって強い力が生じるものです。
身近な水害対策
ゲリラ豪雨やエアーハンマー現象を予測することは難しいですが、ご家庭や職場では、普段からできる水害への備えもあります。
まずは、普段の生活圏で「水が溜まりやすい場所」や「排水が悪いところ」がないかを確認してみましょう。
雨どいが詰まっていないか、側溝や排水口に落ち葉やゴミがたまっていないか、また玄関や勝手口に水が流れ込みそうな傾斜がないか、定期的に点検しておくと安心です。
ちょっとした掃除や補修で、思わぬ被害を防げることもあります。
「大雨のときには排水を控える」ことも推奨されています。
自治体によっては、下水管が汚水と雨水の共用になっている場合があります。
下水の水量が増えすぎると、最悪の場合には家庭の排水口に逆流し、あふれ出すことになります。
お風呂や洗濯による排水を控えることは、下水道の水位上昇を抑えるために役立つのです。
いざというときのために
お住まいの地域の「ハザードマップ(防災マップ)」を見たことはありますか?
各自治体のホームページや市役所などで配布されている地図には、想定される浸水区域や避難所の場所がわかりやすく記されています。
事前に見ておくことで、「もしも」のときにどの方向へ逃げるべきか、どこが安全なのかを冷静に判断できます。
最近はスマートフォンで簡単に見られるアプリやサイトもありますので、ぜひ一度チェックしておきたいものです。
急な大雨で避難が必要になったとき慌てずに動けるように、家族や同僚と相談しておくことも大切です。
避難先、電話がつながらない場合の連絡方法、高齢者のサポートやペットへの対応など、さまざまな視点から想定しておくとよいでしょう。
特に夜間や休日に災害が起こると、連絡が取りづらくなります。
「避難のタイミングや合流場所を決めておく」ことは、災害時に大きな助けになります。
また、家の中でも最低限の備えはしておきたいものです。
非常用持ち出し袋(懐中電灯、飲料水、非常食、モバイルバッテリーなど)を用意し、重要書類や印鑑などはすぐ持ち出せるよう保管場所を決めておきましょう。
こうした準備は、水害だけでなく地震のときにも力を発揮します。
水害は「いつか起きるかも」ではなく、「いつ起きてもおかしくない」時代になってきています。
だからこそ、日頃の小さな備えが、いざという時に自分や大切な人を守る力になります。
建設やインフラの面からの防災、減災に関してはBIM(Building Information Modeling)の活用が広がっています。
従来の2D図面では見えにくかったリスクや課題を3Dによって「見える化」するBIMでは、災害に強い構造を立体的に確認できます。
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